南臺国際会議 (14.10.25) 南臺科技大学

国際啄木学会2014南臺国際会議・台日文学交流朗読会報告
国際啄木学会会長 望月 善次
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 写真提供:山田武秋評議員、太田幸夫会員
 ※望月会長の報告は「岩手日報」掲載用に執筆したもの。
国際啄木学会2014南臺国際会議 〈実施要項〉
10月23日(木)
台日文学交流会 19:00~21:00 「洪建全教育文化基金會」
              (台北市羅斯福路2段9号12F)
 開会挨拶    19:00~19:30  彭鏡禧(中華民國筆會理事長)
                 簡静慧(洪建全文教基金會)
                 望月善次(國際啄木學會會長)
  詩歌朗読會   19:30~21:00
台湾側:陳義芝、 向陽、 陳育虹、 白靈、 焦桐
日本側:結城文、平出洸、望月善次、高淑玲
10月25日(土)
南臺科技大学応用日語系創立20周年記念
国際啄木学会2014南臺国際会議
主催:南臺科技大学応用日語系 共催:国際啄木学会 協力:台湾啄木学会
テ-マ:台日相互理解としての〈石川啄木〉
9:00~9:30   開会あいさつ
         盧燈茂博士(南臺科技大學副校長)
         望月善次国際啄木学会會長
         寄贈図書の贈呈 記念写真の撮影
第Ⅰ部 記念講演会 
9:30~10:00  講演1 太田 登(天理大学名誉教授)
        「啄木短歌の評釈への試み
          ―『一握の砂』の〈放たれし女〉をめぐって―」
        主持人 黃幼欣(南臺科技大學 應用日語系副教授)            
10:00~10:30  講演2 梁 東国(韓国啄木学会会長、祥明大学校教授)
        「日本の国民国家形成の中における石川啄木」
        主持人 望月 善次(国際啄木学会会長、岩手大学名誉教授)     
10:30~10:50  休  憩
10:50~11:20  講演3 望月 善次(国際啄木学会会長、岩手大学名誉教授)
        「啄木「三行書き短歌」再考
          ~何故「三行書き」が過大評価されたのか~」
        主持人 榊祐一(南臺科技大學 應用日語系助理教授)    
11:20~11:50  講演4 池田 功(国際啄木学会副会長、明治大学教授)
        「石川啄木詩歌におけるオノマトペの考察」
        主持人 佐藤勝(湘南啄木文庫主宰)     
11:50~13:10  昼  食
第Ⅱ部 研究発表会
13:10~13:40  研究発表1  高 淑玲(景文科技大学副教授)
        「啄木短歌における音楽性についての一試論
          -主に『一握の砂』をめぐって-」
         主持人 森 義真(石川啄木記念館館長)      
13:40~14:10  研究発表2  山田 武秋(桜出版編集主幹)
        「歌語からみた啄木短歌の傾向―『一握の砂』を中心に―」
         主持人 伊藤和則(国際啄木学会理事)
14:10~14:40  研究発表3   劉怡臻(台湾大學碩士)
        「王白淵における啄木文学の受容についての一考察
          ―『棘の道』の詩歌を中心に―」
         主持人 太田 登(天理大学名誉教授)
14:50~15:00  休  憩
第Ⅲ部 記念座談会
15:00~16:20  座談会「台日相互理解と文化交流をめぐって」
         梁 東国(祥明大学校教授)
         徐 興慶(台湾大學教授)
         楊 錦昌(輔仁大学副教授)
             平出 洸(平出修研究会主宰)
         櫻井健治(函館山ロープウェイ株式会社 代表取締役専務)
         主持人 若林敦(長岡技術科学大学准教授)
16:20~16:40  閉会あいさつ
         鄧美華(南臺科技大學 應用日語系副教授兼系主任)

国際啄木学会2014南臺国際会議・台日文学交流朗読会報告(上)

国際啄木学会会長 望月 善次

「国際啄木学会2014南臺国際会議」は、「台湾・南臺科技大学応用日語系創立20周年」を記念して台湾の地で行われた。また、この会議の実行委員長である林水福南臺科技大学教授(台湾国際啄木学会会長・翻訳家)が、台湾文芸界に大きな位置を占める関係で、関連行事として「中華民國筆會(ペンクラブ)/彭鏡禧理事長(台湾大名誉教授)」と共催の「台日文学交流朗読会(台湾興日本詩的交響朗誦会)」も行われた。
今回は、この朗読会の報告をしたい。
開催日時は、2014年10月23日(木)午後7時から9時。[会場:台北市・洪建全文教基金會]。彭理事長と筆者の開会挨拶の後、国際啄木学会から4人、台湾側から5人の朗読があり、最後に林水福氏の特別朗読があった。進行及び通訳は横地啓子氏(輔仁大学副教授)に率いられた方々によった。
 日本側朗読者と朗読作品は以下の通り。
 高淑玲(景文科技大副教授)「君死にたまふことなかれ」、平出洸(平出修研究会主宰)平出修の短歌5首、結城文(歌人、詩人、翻訳者)「異形の春」(詩)及び自作短歌5首。望月善次=宮澤賢治の詩2編/[雨ニモマケズ]、[丁丁丁丁丁]
 高氏は、台湾の淡江大学を卒業した後、安田女子大学大学院で文学博士を取得した気鋭の研究者。「君死にたまふことなかれ」の訳は御自身のもので、情感豊かに読み上げた。結城氏は、短歌、現代詩の両方の造詣を生かし、いずれも「東日本大震災」に関わるもの。平出氏は、啄木とも親交のあった平出修のお孫さん。平出修に関わるエピソードを交えながらの朗読であった。筆者のものは、[雨ニモマケズ]の宗教性、[丁丁丁丁丁]の激しさを訴えようとしたものであった。
 台湾側の朗読者は向陽(台北教育大学台湾文化研究所副教授)、許悔之(有鹿出版社社主。後述する林水福氏の翻訳の出版主でもある。)、席慕蓉、陳育虹、陳義芝(台湾師範大学副教授)の五人。いずれも、現代台湾を代表する方達で各種の文学賞受賞や教科書掲載作品もある詩人達であった。
 このうち、陳義芝、向陽、陳育虹の各氏と司会グループを率いておられた横路氏とは2012年の6月に、「東日本大震災(2011.3.11)祈念台日文学者交流会」のメンバーとして来日され、被災地へも赴いている。同行された一人、白霊氏の「向雙手致敬(横地啓子訳「その手に敬意をこめて」)が岩手日報紙「文化欄」[2012年6月28日]を飾ったことを記憶している読者各位もあろう。台湾側の最後は、会場からの要望もあり林水福氏となった。出版されたばかりの『(翻訳)一握の砂』(『悲しき玩具』も収められている。)からの朗読であった。
既に時間がない。作品や朗読の具体に言及できないことはいかにも残念だが、二つのみを記すとしよう。一つは、台湾側の詩人は皆朗読が巧みなことであった。もう一つは、陳育紅氏が述べられた<「日本語訳」を読むと、「改めて、自分の作品の魅力に気づく。」>という言であった。異文化交流の目指すところはこうしたところにあるのだと確信した。

台日文学交流朗読会(台湾興日本詩的交響朗誦会)
2014.10.23
中華民國筆會(ペンクラブ)・国際啄木学会・台湾啄木学会 共催

台日交流朗読会テキスト
彭鏡禧台湾筆會理事長望月善次会長朗読(インドの民族服)
陳育虹氏朗読林水福氏石川啄木短歌朗読

国際啄木学会2014南臺国際会議・台日文学交流朗読会報告(中)

国際啄木学会会長 望月 善次
前回の「台日文学交流朗読会(台湾興日本詩的交響朗誦会)」に続いて「南臺科技大学応用日語系創立20周年紀念・国際啄木学会2014南臺国際会議」について報告したい。大会テーマは、「台日相互理解としての<石川啄木>」。実行委員長は、林水福氏(南臺科技大学教授・台湾啄木学会会長)、実行副委員長は太田登氏(天理大名誉教授)。南臺科技大学の全面的な協力のもと、この二人の綿密な企画・運営によって行われた。筆者も、開会挨拶で「本会議は、南臺科技大学と国際啄木学会との友情の証であり、林水福氏と太田登氏との友情の証でもあります。」と述べた所以である。
南臺科技大学がある台南市は、台湾南部に位置する台湾第四の都市で人口約190万。台湾で最も歴史のある都市。南臺科技大学の学生数は、約2万人。台湾の大学でも少子化の影響で、定員確保は、多くの大学の課題であるが、南臺科技大学は例外的に入学者確保に悩まなくともよい大学の一つ。大会運営の実際は、鄧美華同系主任の配慮のもと、同時通訳付き会場で、終始友好的雰囲気に包まれて行われた。
会議の具体的内容は、講演、研究発表、「紀念座談会」という3つの柱によって行われたが、今回は、「4つの講演」についての報告をしたい。
なお、講演と研究発表については、梁東国氏(韓国啄木学会会長)の講演を除いて、ほとんど同一の内容が、林水福・太田登編著『(日本学研究叢書 15)石川啄木詩歌研究への射程』(国立台湾大学出版中心、2014)に収められている。
(講演1)太田登「啄木短歌の評釈への試み~『一握の砂』の<放たれし女>をめぐって。「短歌を評釈することの意味」を明らかにしようとした発表。具体的には、『一握の砂』の<放たれし女>(同137)を出発点として、「よわき男」との関連から『悲しき玩具』の<放たれし女>(同170)に及ぶ。啄木晩年の目指していた「実践」をも視野に入れた緻密且つ意欲的な内容。
(講演2)梁東国「日本の国民国家形成の中における石川啄木」。近代国家において「国民」の意識は必須のもので、その為には「想像の共同体」を形成する必要がある。明治政府は、「国民」形成を「近代天皇制」と「教育」によって達成しようとした。この過程における問題点を「地図、鉄道、日本語」の三点から考察し、啄木の意味を明らかにすると共に、竹久夢二の抵抗についても解明した。<反近代の精神>を掲げていた啄木は、国境を超えた脱境界の詩人であり批評家であったと結論づけた。
(講演3)望月善次「啄木『三行書き』短歌再考~何故『三行書き』が過大評価されたのか~」。啄木「三行書き」は、啄木短歌の特徴の主要な部分を構成せず、その意味を過大評価するのは「贔屓の引き倒し」であるというのがその結論。
(講演4)池田功(国際啄木学会副会長、明治大学教授)「石川啄木詩歌におけるオノマトペの考察」。論点を定め、具体的に実証して行くのが池田論の特徴。今回はオノマトペに焦点を当て課題を解明して見せた。従来研究の遅れていた『悲しき玩具』にも言及すると共に、『あこがれ』における未使用や晩年の口語詩の場合にも及んだ。

国際啄木学会2014南臺国際会議

2014.10.25

開会セレモニー(盧副学長と望月会長)
望月善次会長講演太田登理事講演
梁東国韓国啄木学会会長講演池田功副会長講演

国際啄木学会2014南臺国際会議・台日文学交流朗読会報告(下)

国際啄木学会会長 望月 善次
「国際啄木学会・2014南臺国際会議」報告の第3回として、「研究発表」と「紀念座談会」について報告したい。研究発表は次の三つであった。
(研究発表1)高淑玲(景文科技大副教授)「啄木短歌の音楽性についての一詩論~主に『一握の砂』をめぐって~」。高淑玲氏の経歴等については、最初の報告である「台日文学者交流朗読会」報告の際に触れたので重複する点は避けたいが、岡山大学、安田女子大学の大学院において赤羽学教授の厳密な教育を受け、台湾において啄木研究をテーマにした最初の博士号取得者であることは触れておこう。
そうした研鑽の上に、啄木短歌を「音楽性」において解明しようとし、「台湾の短歌活動に見られる啄木の存在」についても言及した。前者の「音楽性」については、従来の短歌研究や啄木研究でも未解決な領域で、望月の「短歌定型論」や目良卓『響きで楽しむ『一握の砂』』(桜出版、二〇一四)等の検討を初めとして、今後の課題となろう。
(研究発表2)山田武秋(桜出版編集主幹)「歌語から見た啄木短歌の傾向~『一握の砂』を中心に~」。山折哲雄の「啄木は単なる近現代の歌人ではなく……古代以来の……日本人の重要な感覚を、……表現した歌人」という啄木観を契機として啄木の用語を分析し、『万葉集』にも遡り得る歌人であることを分析しようとした発表。同時に、啄木の用語は古典的用法を基盤としたものである(小久保崇[明])ことにも目配りをしている。先行研究の更なる整理や『万葉集』の性質そのものへの考察が研究に一層の厚みをもたらすだろう。
(研究発表3)劉怡瑧(台湾大学碩士)「王白淵における啄木文学の受容についての一考察~『棘の道』の詩歌を中心に~」。王白淵『棘の道』の啄木からの影響については、従来の台湾においては、「影響はあるが微弱なもの」という評価であった。劉氏は、『棘の道』66首と啄木詩集『あこがれ』との対比を通して、その影響は小さくなかったと指摘する。基になった論文は、台湾大学大学院修士論文として、高い評価を受けたとのことであるが、『あこがれ』をどういう詩集と見るか等の考察により一層の展開を期待したい。
「紀念座談会」は、若林敦氏(長岡技術科学大学准教授)をコーディネーターとして「台日相互理解と文化交流をめぐって」をテーマとして行われた。与えられた時間、1時間20分の中に、各々立場を異にする5人の登壇者であった。二つのことのみを指摘したい。一つは、次に示すような多様な登壇者に恵まれたことである。こうした多様な方々によって啄木研究は支えられているのである。もう一つは、若林氏のコーディネーター力である。この多様性の故に空中分解しかねないところを踏み止まって、「無事(?)」終了を迎えたのは流石であった。以下登壇者について略述したい。
櫻井健治氏(函館ロープウェイKK代表取締役)今までの啄木研究の蓄積を生かし明快な提言、平出洸氏(平出修研究会主宰、第一回で紹介済み)、楊錦昌氏(輔仁大学副教授)前回高雄大会以来の再登場が嬉しく。梁東国氏(韓国・祥明大学校教授/第二回で紹介済み)氏の参加により「国際」の確立。徐興慶氏(台湾大学教授)『石川啄木詩歌研究への射程』の発行人。

国際啄木学会2014南臺国際会議
2014.10.25

研究発表:高淑玲氏研究発表:山田武秋氏研究発表:劉怡瑧氏
記念座談会
鄧美華主任あいさつ記念撮影

台日文学交流会・開会挨拶(2014,10,23)

望月善次(國際啄木學會会長)
国際啄木学会会長の望月善次でございます。
先ず、中華民國筆會理事長の彭鏡禧先生に、先ほどの夕食会にお招き戴きました御礼を申し上げます。大変な御馳走でしたが、その御馳走の中に込められた先生方の御厚意を思い感謝申し上げます。
私共国際啄木学会は、今回、南臺科技大學應用日語系創立20週年を記念して、「国際啄木学会・2014南臺国際会議」を行うべく、この台湾の地を訪問しておりますが、こうして中華民国筆會の皆様の御招待によりまして「台日文学交流」の機会が持てますことを本当にありがたいことだと存じております。
これも、只今ご挨拶を賜りました彭鏡禧先生(中華民國筆會理事長)、張耀俄先生(洪建全文教基金會)のお蔭でありますし、今日はおいでになりませんが、簡静慧先生(洪建全文教基金會)にも御高配を賜りました。
また、今回の直接の窓口になり種々の御高配を賜りました林水福先生を初めとする関係皆様のお蔭であります。
改めて感謝申し上げます。
国際啄木学会に取りまして、台湾の地は、特別な地でありまして、既に第2回台北大会(1991、淡江大学)、第15回高雄大会(2001、国立高雄科技大学)、第35回台北大会(2012、国立台湾大学)での3回の大会を行っておりまして、これは国際啄木学会が海外で開催しております大会の最大の数であります。
また、2012年の6月には、東日本大震災(2011.3.11)復興の祈りを込めて、陳義芝先生を団長とする気鋭の文学者の方々に日本・岩手県の被災地を訪問して戴いております。この後の「詩歌朗読会」で朗読戴きます陳義芝先生、 向陽先生、 陳育虹先生、 司会の横地啓子先生は、その時のメンバーであります。また、御高名な席慕蓉先生、気鋭の許悔之先生の朗読も拝聴できるとお聞きしております
先生方とこうして、再びお目にかかれ、詩歌の朗読の場を御一緒できることは大きな喜びであります。先生方の肉声による朗読が、台日交流を生きた血の通ったものにしてくださることを確信しております。
なお、国際啄木学会は「国際」を掲げており、その活動を更に世界に拡大することを念じておりまして、来年は9月にオーストラリアのシドニーでの大会を予定しております。そのシドニー大会を支援してくださいます遠藤直国際交流基金シドニー日本文化センター所長からのメッセージが届いておりますので、皆様への感謝の思いも込めて、本日の御挨拶の最後に、そのメッセージを紹介させて戴きたく存じます。
国際啄木学会2014南臺国際会議開催おめでとうございます!
2008年にインド大会が開催された際に、国際交流基金ニューデリー日本文化センター所長として、会員の皆様をお迎えしたのがご縁で、学会の仲間に加えて頂き、2009年の函館大会、2010年の京都大会、2012年の台北大会にも参加させてもらいました。今回は、シドニーでの業務多忙につき、参加できないのが残念なのですが、来年9月、皆様をシドニーで再びお迎えすることができることを、大変嬉しく、また誇りに思っております。
シドニーは、日本から直行便で10時間程度と遠方ではありますが、当地の名門シドニー大学が大会を快くホストを引き受けて下さり、国際交流基金シドニー日本文化センターもできる限りの協力をさせてもらいますので、一人でも多くの会員の皆様に参加頂きたく、お越しを首を長くしてお待ちしております。
シドニー大学をはじめ、オーストラリアには多彩な日本研究者の方々がおられますし、日本語能力も高く優秀な学生たちが数多く在籍しています。今回の大会がきっかけとなって、啄木を専攻する学生さんが出てきてくれれば、これにまさる喜びはありません。
シドニーは世界遺産に指定されているオペラハウスをはじめ、多くの見所がありますので、大会の合間に、そういったところにもご案内したいと思っております。また、南半球にあるシドニーでは日本とは季節が逆になりますので、9月は春、桜の花が咲く頃です。来年は、日本の春と合わせて二度の花見を楽しんで頂ければ幸いです。
南臺国際会議の成功を祈念しつつ、来年皆様にシドニーでお目にかかれることを祈って。
国際交流基金シドニー日本文化センター 所長 遠藤 直
 遠藤所長のメッセージは以上でございます。
 皆様にもう一度感謝を申し上げて御礼の御挨拶にしたいと思います。
 皆様、本当にありがとうございます。

2014南臺国際会議会長挨拶

 国際啄木学会会長の望月善次でございます。
南臺科技大學應用日語語学科創立20週年を記念して、「国際啄木学会・2014南臺国際会議」を開催できますことは、私共の大きな喜びであります。先ずは、創立20週年のお祝いを申し上げます。おめでとうございます!
只今は、盧燈茂博士(南臺科技大學副校長)には、貴重なお時間の中から、お出かけくださり、感銘深い御挨拶を賜りました。また、南臺科技大學應用日語学科鄧美華先生を初めとする関係の皆様には大会に関わる色々なことを御配慮戴きました。 国際啄木学会としては、林水福実行委員長、太田登副実行委員長に全てを委ねることが出来ました。
そうした意味におきましたは、今回の大会は、南臺科技大學應用日語学科と国際啄木学会の「友情の証」の大会であると言えると思いますし、林水福先生と太田登先生の「友情の証」の大会だとも言えると思います。
改めて関係の皆様に感謝申し上げます。
台湾は私共の国際啄木学会にとりまして、最も大切な所であります。
既に、第2回台北大会(1991、淡江大学)、第15回高雄大会(2001、高雄科技大学)、第35回台北大会(2012、国立台湾大学)での3回の大会を開催させて戴いております。これは、国際啄木学会が海外で開催しております大会の最大の数であります。この歴史の上に、今回の2014南臺国際会議が加わるわけで非常に名誉なことだと感謝しております。
今回は、「台日相互理解としての〈石川啄木〉」をテーマに掲げております。
今回の会議を通しまして「石川啄木」を仲立ちとして台湾と日本との相互理解が促進されますことを祈るものであります。
なお、国際啄木学会は「国際」を掲げており、その活動を更に世界に拡大することを念じておりまして、来年は9月にオーストラリアのシドニーでの大会を予定しております。そのシドニー大会を支援してくださいます遠藤直国際交流基金シドニー日本文化センター所長からのメッセージが届いております。皆様への感謝の思いを込めて、本日の御挨拶の最後に、このメッセージを紹介させて戴きたく存じます。
国際啄木学会2014南臺国際会議開催おめでとうございます!
2008年にインド大会が開催された際に、国際交流基金ニューデリー日本文化センター所長として、会員の皆様をお迎えしたのがご縁で、学会の仲間に加えて頂き、2009年の函館大会、2010年の京都大会、2012年の台北大会にも参加させてもらいました。今回は、シドニーでの業務多忙につき、参加できないのが残念なのですが、来年9月、皆様をシドニーで再びお迎えすることができることを、大変嬉しく、また誇りに思っております。
シドニーは、日本から直行便で10時間程度と遠方ではありますが、当地の名門シドニー大学が大会を快くホストを引き受けて下さり、国際交流基金シドニー日本文化センターもできる限りの協力をさせてもらいますので、一人でも多くの会員の皆様に参加頂きたく、お越しを首を長くしてお待ちしております。
シドニー大学をはじめ、オーストラリアには多彩な日本研究者の方々がおられますし、日本語能力も高く優秀な学生たちが数多く在籍しています。今回の大会がきっかけとなって、啄木を専攻する学生さんが出てきてくれれば、これにまさる喜びはありません。
シドニーは世界遺産に指定されているオペラハウスをはじめ、多くの見所がありますので、大会の合間に、そういったところにもご案内したいと思っております。また、南半球にあるシドニーでは日本とは季節が逆になりますので、9月は春、桜の花が咲く頃です。来年は、日本の春と合わせて二度の花見を楽しんで頂ければ幸いです。
南臺国際会議の成功を祈念しつつ、来年皆様にシドニーでお目にかかれることを祈って。
国際交流基金シドニー日本文化センター 所長 遠藤 直
 遠藤所長のメッセージは以上でございます。
 皆様にもう一度感謝を申し上げて御礼の御挨拶にしたいと思います。
 皆様、ありがとうございます。