【共催名】 「晶子フォーラム2014・国際啄木学会2014年堺大会」
【共催テーマ】 「君死にたまふことなかれ」110年・「啄木」雅号誕生110年
21世紀に伝えたい、晶子と啄木からのメッセ-ジ
■主催 与謝野晶子倶楽部、国際啄木学会
■後援 堺市、堺市教育委員会
■協力 国際啄木学会関西支部
■協賛 南海電気鉄道(株)、阪堺電気軌道(株)、
大阪府都市開発(株)〈泉北高速鉄道〉
日時:2014(平成26)年5月31日(土)・6月1日(日)
会場:「サンスクエア堺」
(堺市堺区田出井町2番1号、JR阪和線「堺市駅」より西へ300m)
◇5月31日(土)
合同フォ-ラムⅠ(研究発表会)
9:00 開場・受付
A会場(「サンスクエア堺」A棟2階の「第1会議室」)
9:20~9:50 赤崎 学(北里大学非常勤講師)
「井上哲次郎の影・ワグネルの思想再読」
9:50~10:20 西連寺 成子(明治大学兼任講師)
「昭和期の啄木受容の一側面」
10:20~10:50 松平 盟子(歌人)
「大都市東京が啄木に与えたもの―社会風俗からの検証を中心に―」
B会場(「サンスクエア堺」A棟2階の「研修室2」)
9:20~9:50 森下明穂(堺市文化課学芸員)
「堺市における晶子顕彰施設について」
9:50~10:20 足立匡敏(甲陽学院教員)
「堺市所蔵の晶子資料について」
10:20~10:50 石川美代子(与謝野晶子倶楽部会員)
「山川登美子の短歌について」
11:00~11:50 2014年度総会(第1会議室) 望月会長挨拶
昼休み
(「サンスクエア堺」向かいの「ベルマ-ジュ堺」や「堺市駅」前の食堂・レストランをご利用ください。)
合同フォ-ラムⅡ(「サンスクエア堺」B棟1階の「サンスクエアホ-ル」
13:00 開場・受付 ☆フリ-マ-ケット(書籍、グッズの販売)
第1部
13:25~13:35 開会あいさつ
(竹山修身堺市長、難波利三与謝野晶子倶楽部会長)
13:35~13:55 短歌作品の表彰式・講評(審査委員長 松平盟子)
14:00~14:45 「晶子と啄木の詩歌を歌う」
(泉陽高等学校音楽部 Chor.Draft
ヴォ-チェ・コン・カロ-レ)
休 憩 ☆フリ-マ-ケット
第2部
15:00~16:40 パネルディスカッション
「晶子と啄木における詩歌と評論の現代的意義をめぐって」
コ-ディネ-タ-:瀧本和成(立命館大学教授)
パネリスト:今野寿美(歌人)
ジャニ-ン・バイチマン(大東文化大学名誉教授)
田口道昭(立命館大学教授
16:40~16:45 閉会あいさつ
(望月善次国際啄木学会会長)
17:30~19:00 交流会
(与謝野晶子倶楽部と国際啄木学会の合同の懇親会)
望月会長挨拶
会場:「ホテルサンル-ト堺」
(〒590-0960堺市堺区少林寺町西1-1-1
TEL: 072-232-0303 FAX: 072-232-8626)
会費:5.000円
◇6月1日(日)
文学研修バスツア-(堺市内の晶子顕彰施設)
定員40人 参加費3.500円~4.000円(予定)
「ホテルサンル-ト堺」9:00出発
①晶子生家跡、千利休屋敷跡 ②覚応寺、西本願寺別院(与謝野晶子歌碑) ③泉陽高等学校(「君死にたまふことなかれ」の詩碑)④高層館 ⑤堺市立文化館(与謝野晶子文芸館)⑥堺市優良観光土産品販売所 ⑦レストラン「木曽路」昼食
昼食後に、南海電鉄本線「堺駅」解散 14:00~14:30ごろ
以上
晶子フォーラム2014、2014国際啄木学会堺大会終了後のメール御挨拶
(2014.6.4(水)国際啄木学会会長 望月善次)
●青春の短歌 選評 2014・5・31 松平盟子
瑞々しい感性の発露
与謝野晶子倶楽部と国際啄木学会による合同の堺大会に寄せられた短歌作品は、開催地堺市やその周辺からのものでした。土地柄を反映した短歌はあまり見当たりませんでしたが、小・中・高等学校の生徒たちの日常に発する実感が素直に表れた作品には瑞々しい感性が感じられました。
選に当たったのは与謝野晶子倶楽部会長の難波利三氏、国際啄木学会会長の望月善次氏、堺歌人クラブ会長の小西美根子氏、そして松平の4人。結果は次の通りです。
●小学生の部
あの人のがんばる姿見ているとドキドキしてる不思議な気持ち (難波利三・選)
不思議かな会話してたら君の目に大きい私が遊んでいるのは (望月善次・選)
桜咲き大人に近づく春の日に影がいつもより大きく見えて (松平盟子・選)
●中学生の部
山登り進むよ道を確実に目指すは一つ明るい光 (難波利三・選)
トタン屋根貧しき音よ雨の音今学びやに降る音やさし (望月善次・選)
仕事終え電車に乗り込み映る顔きりりとしまり夜中生になる (小西美根子・選)
●高校生の部
桜色散る散るなかで君を知る次の春には笑い合えたら (難波利三・選)
吹き抜ける風の冷たさ身にしみる悴む指と触れ合う手と手 (望月善次・選)
二年前使わぬ荷台取ったから君に漕がせて僕は歩こう (松平盟子・選)
小学生の部では二人の選者が「不思議」という語の入った歌を選ばれていて、子供が人生を一歩ずつ知るプロセスに不思議がたくさんあることを教えてくれるようでした。
中学生の部は応募数が少ない中、「トタン屋根」「仕事終え」の2首は日本人ではない年長の夜間中学生が日々に抱く陰影をうまく掬い取っていることに感心しました。
高校生の部は、初々しい恋の感情や季節感が生き生きと描かれています。私の選んだ1首は男性の作。荷台を外したあとの自転車を相手に譲るやさしさがとてもピュアです。
「自分の感受性くらい/自分でまもれ」と書いたのは詩人の茨木のり子ですが、子供たちには自分の感受性を大事にし、言葉への信頼と愛を忘れず、短歌詩型への興味を育んでいってほしいと願わずにはいられません。
2014年度堺大会における研究発表者の募集について
堺大会における研究発表者を募集します。持ち時間30分(発表20分、質疑応答10分)です。ご希望の方は、A4(横書き)一枚に、氏名・連絡先・所属・テーマ・発表要旨(400~600字)を記し、事務局までお申し込みください。Eメール添付ファイル(WORDもしくはPDF)でも申し込みが可能です。採否につきましては、理事会にご一任いただきます。
応募締め切り:2014年1月15日(水)
2014国際啄木学会堺大会総会挨拶
みなさん、こんにちは。
貴重なお時間のところを,与謝野晶子縁りの地、堺にお集まりくださいましてありがとうございます。
今回の大会が可能になりましたのは、太田登実行委員長のもと、行き届いた御準備、運営をしてくださっております難波利三会長を初めとする与謝野晶子倶楽部の皆様及び竹山修身市長を初めとする堺市関係の皆様のお陰であります。会員の皆様と感謝申し上げたいと思います。
それにしても、私共がこうして「研究」をしていられるのは、運命の加護があればこそと思っております。
最近は「五つの加護」を思っております。
第一は、「人間」として生まれたということであります。「人間」でなければ「研究」に携わることはできないかと存じます。
第二は、「戦争などをしていない日本」に生まれたということです。「戦争」などの際に「研究」ができるのか。少なくとも、今日の日本におけるような状況での「研究」は不可能ではないかと思います。
第三は、しかるべき「基礎訓練」を受ける場を享受したということであります。世界を見渡しました際、こうした「基礎訓練」からは無縁である人々は数多くおられるわけであります。
第四は、「震災や事故」に巻き込まれなかったということであります。私などの東北地方で申しますと「二〇一一年三月十一日に起こった東日本大震災」がありますし、この堺市で言えば「阪神・淡路大震災」があったわけであります。そうした「災害等」の中で、「生き残った側」に置かれた訳であります。
第五は、「第一から第四」を踏まえて、実際「健康年齢」の中にいるということであります。
こうした運命の加護のもと、この堺市に集い、与謝野晶子倶楽部の皆様と「啄木の意味、与謝野晶子・鉄幹の意味」を明らかにしようと思っているわけであります。
単なる、共に開催したというだけでなく、其処から新しいものを見出すことができますよう祈って、開会の御挨拶にしたいと思います。
晶子フォーラム2014、2014国際啄木学会堺大会閉会挨拶
与謝野晶子倶楽部や堺市の関係皆様の御心の篭った御配慮のもと「晶子フォーラム2014、2014国際啄木学会堺大会」の第一日は閉会を迎えようとしております。
こうしたフォーラム・大会を御準備くださいました関係の皆様に心からの感謝を申し上げます。
会は、午前の研究発表に始まり、午後の開会式では、竹山修身堺市市長や、直木賞作家でもある難波利三与謝野晶子倶楽部会長のご挨拶を頂戴できました。記念短歌会の表彰式の後は、晶子の母校、大阪府立泉陽高校やその関係の皆様からの音楽の贈り物を受けました。「単に母校だから」というレベルではないハーモニーに感銘を受けたことのみを申し上げたいと思います。
音楽の後は「晶子と啄木における詩歌と評論の現代的意義をめぐって」とするパネル・ディスカッションでした。皆様御承知のように、晶子・鉄幹と啄木との交流がありましたのは、明治35年から明治45年までの10年間でした。この期間の両者の交流から生み出されたものは何か、そしてこの交流から両者が得たものは何であり、それは又両者及びその享受の歴史にどのような意味をもったのか。そうしたものに、このパネル・ディスカッションはどう関わったのかが問題になろうかと存じますが、今はそうした余裕はありません。その評価はみなさんお一人お一人に委ねて、与謝野晶子の二つの言葉を紹介して終わりにしたいと思います。
一つは、晶子の鉄幹についての言であります。
「夫の詩人としての天分がどんなに優れているかは、百年二百年の後になってわかるでしょう。」〔「崖下の家」、『横浜貿易新報』(大正12年3月5日)=『特別展 没後70年記念 与謝野鉄幹』(堺市文化館・与謝野晶子文芸館、2006.2~4)p.11.〕
今回の私共の大会も百年、二百年の吟味に耐えるものとなるでしょうか。
もう一つは、先ほどのパネル・ディスカッションでも話題となりました「君死にたまふこと勿れ」への批判に応えた「ひらきぶみ」の一節です。
「歌は歌に候。歌よみならひ候からには、私どうぞ後の人に笑はれぬ、まことの心を歌ひおきたく候。まことの心うたはぬ歌に、何のねうちか候べき。まことの歌や文作らぬ人に、何の見どころか候べき。」〔『明星』辰歳第11号(明治37.11)。*なお、当日の資料については、いずれも与謝野晶子文芸館の御厚意によった。記して感謝したい。〕
種々の物言いがあろうとも、文芸の徒はどうあらねばならないかを雄弁に語って止まない文章だと思います。
もう一度皆様に感謝の思いを述べ閉会の御挨拶に致します。
みなさん、ありがとうございました。
晶子フォーラム2014、2014国際啄木学会堺大会懇親会挨拶
おばんでございます。国際啄木学会会長の望月善次です。
東北地区ですと、こうした夜の御挨拶は「おばんでございます。」となります。
共通語では「こんばんは」と敬意表現がないのですが、「おばんでございます。」は、敬意表現となりますので、私自身は関東の出身ですが、愛用している所以です。
さて、挨拶のことは別にして、今回は、与謝野晶子倶楽部及び堺市の皆様方には本当にお世話になりました。第一日めは、大成功の裡に修了しましたが、この成功は、ひとえに、太田登実行委員長を初めとする皆様のお陰です。
国際啄木学会を挙げて皆様に御礼を申し上げたいと思います。
それにしても、与謝野晶子倶楽部と堺市の皆様の雰囲気は本当に素晴らしいものがあります。ただ、準備や運営が素晴らしいだけでなく、そこに何ともいえない雰囲気が漂っているのです。この懇親会もこの雰囲気の中、成功間違いないと確信します。
みなさん、どうぞよろしくお願い申し上げます。
みなさんへの感謝を申し上げ冒頭の御挨拶にさせて戴きます。
みなさん、本当にありがとうございました。
晶子フォーラム2014、2014国際啄木学会堺大会終了後のメール御挨拶
与謝野晶子倶楽部
会長 難波利三先生
皆々様
この度は、色々とありがとうございました。(PCが調子が悪く、専門店でのチェックを受けておりましたので、御礼が遅くなりました。御海容ください。 )
皆様の「晶子フォーラム2014」と共催させて戴き、「国際啄木学会2014堺大会」を開催できましたことは、本当に幸せのことでした。
実行委員長の太田登先生のもと、皆様が誠心誠意してくださったことは、国際啄木学会会員の一人ひとりの胸に響きました。
大会企画の構想から、当日の心細やかな運営、そして「素晴らしい実地研究」に至るまで、実に恵まれた2日間でありました。
堺市の方々も、竹山修身市長を初めとして種々の御配慮をくださいましたことも感動的でした。
実は、お訊ねした堺市市役所の方のお話で「堺は余り大きくない町ですから、自転車で半日あればほぼ市の全域を廻れますよ。」ということでしたので、大会前日は会場の下見も兼ねて、堺駅 → 覚応寺 → 市役所 → 方違神社 → 反正天皇陵 → 堺市文化会館 → 仁徳御陵 → 大仙公園 → 宿院頓宮 →旧堺港 → 堺駅 と自転車で廻りました。会場の展示も拝見して、皆様が総力を挙げて準備と歓迎をしてくださっていることを実感しました。今回特別展示してくださいました「啄木」関係の掲示が纏まっていることも印象的でした。また、大会当日は、研究発表では、両方の分科会をかけもちで全ての方の御報告を拝聴しましたが、ここでも共催して戴いた恩恵を実感致しました。(午後の泉陽高校音楽部及び関係者の皆様の演奏も圧倒的でした。)二日目の太田登実行委員長による「実地研究」も本当に素晴らしかったと思います。細やかな御配慮のもと、内容も説明の仕方も驚くべきものでした。(「堺市のお住まいでもないのに、どうしてあれほどの説明が可能なのでしょうか。)
こうした皆様の御厚意を受け止めて、研究を深め、発展させて行くことが私共国際啄木学会の責務だと存じます。
もう一度、御礼を申し上げたく存じます。
ありがとうございました。
2014.6.4(水)国際啄木学会会長 望月善次