会長 池田 功 

 2015年4月より第7代目の会長に就任致しました。

 国際啄木学会は1989年に創立され、今年で26年目を迎えております。その間、8回の外国での大会やセミナーを開催し、また国内での多くの大会やセミナーを行ってきました。さらに「研究年報」や「会報」を毎年発行し、『石川啄木事典』や『論集 石川啄木』も刊行してきました。まずはこのような長い歴史の中でつくられた業績を継承していきたいと思います。

 それから私なりの新機軸を出して発展させたいと思っています。色々なことを考えていますが、具体的なことを少し記したいと思います。

 まず、啄木と関係しました文学者や思想家の研究団体との共同のセミナーの開催です。既に本学会は、与謝野晶子の生誕の地の堺市で晶子アカデミーと共催でセミナーを行っていますが、このようなことを若山牧水や北原白秋、木下杢太郎、夏目漱石、森鴎外、平出修、幸徳秋水などの研究団体にも呼びかけていきたいと考えています。

 次に、1番目のこととも関係するのですが、今まで大会やセミナーを行ったことのない国内の地域での開催です。共同のセミナーを、その文学者や思想家のゆかりの地で行ってみたいと思っています。同時代を生きた文学者などとの受容や関係性の研究は、啄木の魅力の再確認とともに、研究の範囲の広がりをもたらしてくれると思われます。

 3番目に、本学会ではこれまで『石川啄木事典』や『論集 石川啄木』、『論集 石川啄木Ⅱ』を刊行してきましたが、これに続くものが刊行されていません。次なる研究書や入門書などの刊行を考えています。

 4番目には、支部活動の活性化です。現在、国内には北海道、盛岡、東京、新潟、関西の5つの支部があり、それぞれ支部会を開催したり会報を発行したりしています。支部活動を活性化するために、支部会には、会長か副会長あるいは事務局長がなるべく参加し、現状を把握し、他支部の活動を話したりしたいと思っています。

 さらには、研究者の育成です。現在若手研究者助成を行っていますが、これをさらに発展させていきたいと思っています。また、国際化の面でも、海外の会員との情報交換を密にし、翻訳や研究の促進をしていきたいと思っています。

 このようなことを考えています。そのためには会員の皆様のご協力なくしてはできません。ご支援のほど、よろしくお願い致します。

 また、本学会は研究者だけでなく多くの愛好者の皆様も参加されています。本学会に関心を持たれましたら、ぜひ入会していただきたいと思います。

 多くの皆様方の参加を期待しております。