国際啄木学会
ホーム 国際啄木学会 大会・セミナー 研究年報と会報 会員の活動
大会・セミナー
  国際啄木学会2014年度南臺国際会議 報告にもどる

 
国際啄木学会2014南臺国際会議・台日文学交流朗読会報告(下)

国際啄木学会会長 望月 善次

「国際啄木学会・2014南臺国際会議」報告の第3回として、「研究発表」と「紀念座談会」について報告したい。研究発表は次の三つであった。

(研究発表1)高淑玲(景文科技大副教授)「啄木短歌の音楽性についての一詩論~主に『一握の砂』をめぐって~」。高淑玲氏の経歴等については、最初の報告である「台日文学者交流朗読会」報告の際に触れたので重複する点は避けたいが、岡山大学、安田女子大学の大学院において赤羽学教授の厳密な教育を受け、台湾において啄木研究をテーマにした最初の博士号取得者であることは触れておこう。

そうした研鑽の上に、啄木短歌を「音楽性」において解明しようとし、「台湾の短歌活動に見られる啄木の存在」についても言及した。前者の「音楽性」については、従来の短歌研究や啄木研究でも未解決な領域で、望月の「短歌定型論」や目良卓『響きで楽しむ『一握の砂』』(桜出版、二〇一四)等の検討を初めとして、今後の課題となろう。

(研究発表2)山田武秋(桜出版編集主幹)「歌語から見た啄木短歌の傾向~『一握の砂』を中心に~」。山折哲雄の「啄木は単なる近現代の歌人ではなく……古代以来の……日本人の重要な感覚を、……表現した歌人」という啄木観を契機として啄木の用語を分析し、『万葉集』にも遡り得る歌人であることを分析しようとした発表。同時に、啄木の用語は古典的用法を基盤としたものである(小久保崇[])ことにも目配りをしている。先行研究の更なる整理や『万葉集』の性質そのものへの考察が研究に一層の厚みをもたらすだろう。

(研究発表3)劉怡瑧(台湾大学碩士「王白淵における啄木文学の受容についての一考察~『棘の道』の詩歌を中心に~」。王白淵『棘の道』の啄木からの影響については、従来の台湾においては、「影響はあるが微弱なもの」という評価であった。劉氏は、『棘の道』66首と啄木詩集『あこがれ』との対比を通して、その影響は小さくなかったと指摘する。基になった論文は、台湾大学大学院修士論文として、高い評価を受けたとのことであるが、『あこがれ』をどういう詩集と見るか等の考察により一層の展開を期待したい。

「紀念座談会」は、若林敦氏(長岡技術科学大学准教授)をコーディネーターとして「台日相互理解と文化交流をめぐって」をテーマとして行われた。与えられた時間、1時間20分の中に、各々立場を異にする5人の登壇者であった。二つのことのみを指摘したい。一つは、次に示すような多様な登壇者に恵まれたことである。こうした多様な方々によって啄木研究は支えられているのである。もう一つは、若林氏のコーディネーター力である。この多様性の故に空中分解しかねないところを踏み止まって、「無事(?)」終了を迎えたのは流石であった。以下登壇者について略述したい。

櫻井健治氏(函館ロープウェイKK代表取締役)今までの啄木研究の蓄積を生かし明快な提言、平出洸氏(平出修研究会主宰、第一回で紹介済み)、楊錦昌氏(輔仁大学副教授)前回高雄大会以来の再登場が嬉しく。梁東国氏(韓国・祥明大学校教授/第二回で紹介済み)氏の参加により「国際」の確立。徐興慶氏(台湾大学教授)『石川啄木詩歌研究への射程』の発行人。

国際啄木学会2014南臺国際会議  2014.10.25

  

 研究発表:高淑玲氏

研究発表:高淑玲氏

 研究発表:山田武秋氏

研究発表:山田武秋氏

 研究発表:劉怡瑧氏

研究発表:劉怡瑧氏

記念座談会

記念座談会

  
 鄧美華主任あいさつ

鄧美華主任あいさつ

  
記念撮影

記念撮影

 
 
  Copyright © 2005 International Society of TAKUBOKU Studies. All Rights Reserved.